さらば、ヒャッハー
それでも僕は生きていた


(一)


コタツにエロ本とは、青春の形だと思う。


しかもかそのエロ本が、土手から拾ってきたような湿り具合を兼ね備えているならまたいい。


大人の階段を一段踏みしめた状態だ、いけないことをしているという背徳感と共に、悦なる耽美が脳を刺激する。青春――いいや、あえて、桃色の春として桃春と名付けようか。


「なあ、骨。モザイクって、なんであんだと思う?」


「溝出様だ。バカだなぁ、お前。あえての『もざいく』なんだぜ。現実のあれは、ぐろいのなんの。とりあえず、ぼやかしときゃあ、男にとっての女の理想図が理想のままでいられんだよ。分かっか、包帯」


「藤馬だ。いやいや、それガキの考えだから。グロいがなんだ、そんな形なんだからしょうがねえし、それでも見て興奮すんのは、本能的に男が、グロいをエロいに脳内変換してっからだ。大人になりゃあよ、女のあれぐらいで動揺しねえぜぇ」


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