もう…涙は流れない。


それでも好きだから…なんて泣きわめいて決意するほど、若くもないしガラでもない。

元来意地っ張りの私は、自分の気持ちに蓋をしてガムテープでぐるぐる巻きにして見ないようにするのは大の得意で。

あれはあれでキモチイイSEXだったから私も楽しんでやったとか、
何回かご飯もおごってもらったしいいかとか、
言い訳ばかりを思い浮かべる。


体の芯をジンジン痺れさせるあの声も、柔らかく宝物にさわるように触れる手や際限なく翻弄させる熱い舌も、切ないくらい大好きな眉の下がった笑顔も。


全部をなかったことにして、これ以上傷つきたくないと。

臆病で意地っ張りで汚い私は、彼を、その存在をも否定しようとしていた。