エロスからタナトスへ
帰り道、とにかく荷物が多かったので、

外食はあきらめて、

食べ物とお酒を買って、家に帰った。

「詩雨子。ビギナーズラックって、あるんだねー。

 台本みせて。

 この映画、2回見に行ったよ。

 きれいなままだから、ジョンフンが使った台本じゃないね。

 でも、いいな~。握手どうだった?」

「うん。やわらかかった。」

「やーん。やらしい!」

美保は、完全に酔っていた。

私も気持ちがふわふわしていた。

この世のものとは思えないほど、美しかったわ。

でも、そんなこと、美保には言えなかった。

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