《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
「…安倍」



担任教師・小笠原知弥(オガサワラトモヤ)が保健室から出て来た。




「…」

私は無視してスタスタと廊下を早足で歩く。


小笠原先生が私の右手首を掴んだ。


「は、離して下さい!!」


「これが欲しいんだろ?やるぜ」
ぶっきらぼうでスローな喋り方。
でも、声は低く甘い。


小笠原先生は私の右手に何かを握らさせた。

私の右手の拘束は解かれ、手の平の中を覗き見た。


田井先生から、貰おうと思った鎮痛剤。



「・・・違ったか?」


小笠原先生の紫色の瞳が私を一途に見つめる。





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