《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

異変~花奏side~

「お前は狙われてるらしい」


「え、あ…私がどうして?」


「・・・」
少し、小笠原先生は呆れたように、顔を顰めた。



「お前は…安倍晴明の直系一族。妖たちもお前の秘めた力を狙っている」


「・・・」



急に、小笠原先生の瞳の中心に紅い点が宿った。



「血の匂いがする・・・」
小笠原先生は静かに動揺を走らせて、呟く。



「あ…」


ふと見れば、私の右の手の甲に木の枝で擦った切り傷が出来ていた。



「私…怪我したみたい」


先生に血の滲んだ傷口を見せた。



「!!?」



急に、膝を折り、その場に蹲る先生。



「先生?」
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