先生とシンデレラ
始まり
その日の翌日。

学活中の教室は、来週行われる“ミスコン”の話題で溢れかえっていた。


ミスコン…

私の学校のメインイベント。

1カ月ごとに、3回行われるミスコン。

毎月1日に第一次審査、第二次審査、最終審査…と行われ、その次の審査のテーマが知らされるのは、第二次審査だったら第一次審査の後なのだ。

だから、1カ月間で次の審査のテーマをできるようにしろという事なのだろう。


なお、ミスコンに出るのは1クラスに1名。

代表の女子生徒だけ。

ミスコンは、1年生、2年生、3年生の各部門で競われ、優勝者のクラスには、景品が出るというものだそうだ。

華ちゃんにさっき聞いただけだから、詳しい事は知らないけど…

私が 頬杖をついてチラッと窓にもたれている先生を見ると。

…欠伸してる。

私は、ゆっくりと溜め息をついた。

朝、先生と会った時も昨日の事なんてまるで無かった事の様に普通に
「羅々、おはよう。」
なんて言ってきた。

…悩んでたのが馬鹿みたい…

そうだよね…

先生にとってわたしなんて。

ただの…

私がまた、もう一度溜め息をつくと。

「おいおい…そんな溜め息ばっかりついてると、幸せが逃げるぞ。」

「…三浦くん…」

呆れた顔をしてこちらを見てきたのは、隣の席の三浦 優輝。

サッカー部で、結構モテる男の子って花ちゃんが言ってた気がする。

「私、そんなに溜め息ついてたかな…?」

私が横目でチラッと三浦君を見ながらそんなことを言うと。


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