先生、あなたのことが好きでした。
2スキ



  先生の授業を受けなくなって半年経った。

  あたしは中学二年生になっていて、相変わらず先生を避けていた。

  あの頃と変わったのは、先生への怒りが後悔になっていたこと。

  ただでさえ点数が低い数学が、ますます低くなったこと。

  先生じゃなきゃダメだって、あたしは心のどこかで思っていた。


  そんなある日、あたしはその日の塾の授業を終え、帰る準備をしていた。

「お、久しぶり」

  あたしに声をかけたのは、

「……先生」

  菅野先生だった。


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