学校中の誰もが関わりを避ける。
すれ違うだけでもあからさまに廊下の端に寄って、目を合わせようとしない。


教師達ですら、存在そのものが災いだとでも言う様に、自分から声を掛けたりしない。


ううん。
そこにいるのに最初から居ないものと考えている様な。


だから彼はいつも独りだった。


教室の中にいても、授業をサボって屋上で空を眺めていても。


彼はどんな時もたった独りで、それを自分でも全く気にしていない。


周りからどう見られて何を言われても、まるで他人事みたいな顔をして。


同級生に対しても先輩に対しても、その態度は何も変わらない。
自分の中に他人を踏み込ませようとしない。


彼のテリトリー。


それはとても狭くて、頑丈な鍵で閉ざされていた。

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