佐々木と経田の郷里に出張していた

酒井さんと三浦君が警視庁に帰って来たのは、

午後九時を過ぎた頃だった。



地図上の直線距離では

それほど遠くないと言っていたけれど、

駅からの交通手段が不便な場所。



実際に行ったら山道も多かったらしく、

体力に自信があるはずの二人も、

かなり疲弊していた。



三浦君はずっと運転しっ放しで夕食も取れなかったらしく、

自分のデスクに着いた途端に

コンビニ弁当を掻き込み出した。



「お疲れ様。酒井さんは?」




執務室には私と三浦君、

そして今晩当直の石井さんしか居ない。



戻って来たはずなのに

酒井さんはまだ顔を見せていないから、

捜査状況を聞く事も出来ずにいた。




「帰り道の途中で別件の鑑識結果の連絡もらって、

そっち寄って来るって言ってました。

そっちは加納さんも担当なのに、

もう加納さん帰宅した後とかで捕まらなかったから」



昼間はフランスパンを齧っていた三浦君が、

夜は鯖の塩焼き弁当を食べている。



勝手な想像だけど、

素材をそのまま食べるのが好きなのかな、とちょっと納得した。



「ああ。加納さん、今日は約束があるからって、

いつもより早めに帰ったから」



私の合いの手に、三浦君はへえ、と目を丸くして。



そしてすぐににやりと笑った。

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