その背中を何となく見送ったまま。



「……いつから聞いてた? 三浦」



え? と。



その言葉に振り返ると、

ドア口に立っていた三浦君の姿を確認した。



立ち竦んでいた三浦君は視線を床に這わせて、

主任の顔を見ようとしない。



その姿を見て、

私はある意味で

心の重しが取り除かれる様な気分になった。



「まあいい。事件から花村を外す。

三浦、お前はこれまで通り、酒井と捜査を続けろ」


「……」



俯いて返事をしない三浦君の肩を叩いて、

主任は執務室を出て行く。



三浦君と二人で取り残されて、私はただ俯いた。



「……塔子さん」


「ごめんね。聞いての通りだから。

……コンビ、解消だね」



出来るだけ明るくそう言って、

三浦君に笑い掛けた。



だけど三浦君が堅い表情のまま黙っているから、

私は俯いて目を逸らした。



「……事件解決の為に。

当時の事で知っている事を話してもらえますか。

……花村塔子さん」



三浦君の固い声に、

私は肩で息をしてから頷いた。



ここが。



観念する引き際だと思った。

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