その夜は、駅前のビジネスホテルに泊まった。



蒼甫と簡単な夕食を済ませて、

狭いシングルルームに入って一人になると、

思いの外疲れていた事に気付いた。



スーツの上着を脱いで、

そのままベッドにダイブする。



元々行動力はある方だけど、

今日の行動は自分でも半分呆れた。



昨夜二十年近く会ってなかった蒼甫と再会して、

そして今日、その蒼甫を追ってA県にいる。



こんな形で休暇を取ったのも初めてだった。



だけど私の直感で、

この行動は間違ってないと思う。



低くて圧迫感のある天井を眺める。



私の行動を、刑事として失格だと

責められてる様な錯覚を起こしそうになる。



だけど、今は自分の判断を信じるしかない。



今日蒼甫から聞いた話は、

私にはあまりに現実味が無さ過ぎて、

冷静な思考さえ奪われそうだった。



だけど。



この十年沈黙を守り続けて来た蒼甫の言葉だ。



蒼甫を信じてこの事件を見つめ直したら、

私にも真実が見えて来るんだろうか。

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