傷害。恐喝、婦女暴行に今度は通り魔。



散々人を傷付けて来た男が、

自分の身の安全を一番に考えて罪を自白した。



どこまで勝手なんだと思うけれど、

だからこそ経田の証言は真実なんじゃないかとも思う。



自分を守る為に罪を重ねた人間が、

その罪を自白してまで求めるものは、

きっと自分の命だと思うから。



だからきっと経田の言う通り、

佐々木を殺した犯人は、どこかにいる。



経田はその犯人の手から逃れる為に

逃げて来たはずだった。





それなのに。




安全を求めた場所、警視庁で。



―――彼は、命を落とす運命を辿った。





最初の通り魔事件のオフィス街。



現場検証に立ち合わせて事実確認を行ったその日。



署に戻る為にパトカーに乗ろうとした時、

経田は何かに気を取られて、

そして瞬時に顔面蒼白になった。



その表情に一瞬誰もが気を取られて、

経田が何を見たのか

確認しようと目を離した隙をついて。



経田は手錠を付けた手で、

監視していた制服警官を殴り付けた。



そして狂った様な悲鳴を上げて

突然その場から逃走して。



制止する間もなく。



オフィス街の国道に飛び出して、

トラックに撥ねられて死んだ。

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