久遠の花〜 the story of blood~【恋】
Prorogue
Prologue
目にしたのは――天井。
何度か瞬きをし、ゆっくりと首を動かしながら周りを見る。
次に目にしたのは――点滴。
規則正しく落ちる水滴を見ながら、自分に起きたことを思い返した。
そっか……また、倒れたんだ。
起き上がり自分の体を見れば、特にケガらしいケガは無い。
幼い頃から、こんなことは日常茶飯事。だから今度も、差ほど気にしていなかった。
点滴が終われば、あとはいつもどおり診察をして、薬をもらえば終わり。
病気が治ればって最初は悔やんだけど、ここ数年、生活をする分では目立った不自由はない。
だから、このままでもいいかなって、今では思い始めてる。
大きな幸せはいい。これはこれで、幸せだって思うから。
――それなのに。
月夜の出来事が、ささやかな思いを崩す。
頭に響く、とても嫌な声。
突然見える、見知らぬ光景。
なにが起きているか、理解する間もなく――流れに、身を任せるしかなかった。
目にしたのは――天井。
何度か瞬きをし、ゆっくりと首を動かしながら周りを見る。
次に目にしたのは――点滴。
規則正しく落ちる水滴を見ながら、自分に起きたことを思い返した。
そっか……また、倒れたんだ。
起き上がり自分の体を見れば、特にケガらしいケガは無い。
幼い頃から、こんなことは日常茶飯事。だから今度も、差ほど気にしていなかった。
点滴が終われば、あとはいつもどおり診察をして、薬をもらえば終わり。
病気が治ればって最初は悔やんだけど、ここ数年、生活をする分では目立った不自由はない。
だから、このままでもいいかなって、今では思い始めてる。
大きな幸せはいい。これはこれで、幸せだって思うから。
――それなのに。
月夜の出来事が、ささやかな思いを崩す。
頭に響く、とても嫌な声。
突然見える、見知らぬ光景。
なにが起きているか、理解する間もなく――流れに、身を任せるしかなかった。