絶対裏校則

二人の過去

慶と翼が出会ったのは中学に入学してすぐ後の事だった―――


この頃も慶はクラスで人気者。喧嘩も強く、何より仲間想いだった。そんな慶はいつもクラスの皆に囲まれていた。

それをじっと不満そうに見ていたのが翼である。

当時翼は、クラスでは大人しかった。別に馴染めなかったわけではない。独りが好きなちょっと変わったやつだった。

独りで居ることがカッコイイと思っていたからである。いつも皆に囲まれて、いい奴ぶって…そのくせいざ誰かがピンチになったりしたら逃げる。そんなやつが正義面するなとでも言いたいのだろう。

そんなある日、いつも一人でいる翼を気にしていた慶が話しかけた。

「おい大森!」

“ビクッ”

突然名前を呼ばれて一瞬ビクついたが、「何?」とゆう目で睨みつけ、すぐ目線を前に向け直した。

「………」

慶はそんな翼を見て、段々興味が湧いた。

そしてその日の放課後、慶は翼の思いがけない行動を目の当たりにする……

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