英国喜劇リトレイス
9 侵攻開始

翌朝

思った通りよく眠れた俺は、存分に寝坊した。

「いってぇ……」

朝だというのに、視界はじんわり滲む。
そんな俺をイアンはジロリと睨んだ。

「お前が起きないのがいけないんだろ」

「だからって殴ることはないだろ!! 見ろこの痛々しいたんこぶ!」

「自分で痛々しいとか……言うなっ! 大したことない!」

「うぎゃっ!」


ヒドイ。
本気でたんこぶを殴るってあり得ないよな

「なんか言ったか?」

何で聞こえてるんだよ。
地獄耳か? いや鬼だからそれもそうか。

「全部口に出てんだよ!」

「ぎゃーっ!」


< 242 / 409 >

この作品をシェア

pagetop