イジワル社長と秘密の結婚
課長のキス
体に鈍い痛みを感じる。蒼真さんと体を重ね合ったあと、しばらく眠っていたみたいだ。

「目、覚めた?」

目を開けると、蒼真さんの優しい顏がある。お互い素肌のまま、彼は私を抱きしめてくれていた。

「はい。いつの間にか、寝てたんですね」

「ちょっと意地悪しすぎたかな?」

蒼真さんがいたずらっぽく言うから、私は気恥ずかしくなる。

「もう、そんな言い方やめてください」

「違う?」

「……そうですけど」

蒼真さんには敵わないな。私の心なんて、見透かされてる気がする。口を尖らせると、彼はクックと笑った。

「咲希はからかいがいがあるな。俺も、この一週間、きみに会いたかったよ。戸惑うくらいに、咲希のことばかり考えてた」
< 67 / 156 >

この作品をシェア

pagetop