ある夕方の拾いモノ -狐と私、時々愛-
紅は散る





…光の届かない森の奥、薄暗くてかび臭い社。ここは僕の心を映し出しているようで、僕はひどく安心する。
畳の上に転がる人間―――菜々美の姿を見て、こみ上げる笑いを抑えるのに必死だった。












―――遠くで誰かの声がしたような気がした。




(………ここは)


意識を取り戻した私は、頭を上げて周りを見渡す。しかし、全く見覚えのない光景にとりあえず動こうとした私を阻むのは両腕の自由を奪う枷。


枷には鎖が繋がれていて、鎖の先は天井に固定されていた。





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