Debug

 私はずっと愛されたいと思ってたの。私は誰か隣にいてくれなきゃ駄目だった。だけどわかったの、私に必要なのは一人で立つ強さだって。

 陣にさよならを言うと決めてから、ずっと怖かった。陣ときちんと離れられるのか。一人でいるのが寂しくて、また誰かに依存しないかとか。

 一番怖いのは、私の未来に貴方がいないこと。すごく辛くて、怖いよ……。陣、私貴方がこんなに好きなんだよ……。
 大好きだけど、どうしようもなくて、やりきれないよ。
 大好きなのに、なんで私、陣と一緒にいられないんだろう。

 私、絶対泣くと思う。
 号泣だと思う。
 だけど、強くなる。
 デバッグしなきゃいけないでしょ、エラーを見つけたら。
 私達の関係はエラーばっかりで、わかってるのに目を瞑ってデバッグしてこなかった。
 だけど、このまんまじゃいけないから。

 最後に言わせてください。
 陣、大好き。
 すっごく大好き。
 大好きだよ。
 本当は、離れたくなんかないよ。

 陣、こんな私に付き合ってくれてありがとう。いつも一緒にいてくれてありがとう。甘えさせてくれてありがとう。たくさんの幸せを、ありがとう。

 これで私はいなくなるから、陣もう間違えちゃ駄目だよ。
 佐和さんと仲良くね。

 これが私達のデバッグ。
 これで私達のプログラムはうまく走るよ。

 陣、ごめんね、大好きだよ。陣、たくさん、ありがとう。

 さようなら。

 佐川みあ』
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