純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

消えた彼


次の日、私は復帰した。


「安永さん、もう大丈夫ですか?」

「えぇ、まあ……」


あの事件の事は公にはしなかったらしく、体調を崩して……ということにしておいてくれたようだ。

きっと桐生さんの計らいだろう。


あのことを根掘り葉掘り聞かれたら、またあの光景がよみがえってしまう。そして、仕事がやりずらい。


木本は精神鑑定に掛けられるべく、手続きが始まっているらしい。
木本が塀の中にいることで、少し心に平和が訪れてはいたけれど、それでもあの恐怖はなかなか拭い去れるものではなかった。

とにかく、引っ越しはしよう。
ポストを見るたびに思い出すなんてごめんだ。





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