シーソーが揺れてる

「おいっすー!」
やっと公園のベンチにたどり着いた春香を直人は出迎えた。
「ねた古っ!」
「昨日来なかったねえ」
「うん、昨日は寝てたから」
「へえそうなんだー。いやあせっかくいい男紹介してやろうと思ったのに」
「は?何それ」
「昨日おれんとこにバイトで来てる男が居て、そいつをここに連れて来たんだよ。女を紹介してやるって言って」
「その女が私ってわけね」
少し呆れながら春香は言った。
「申し訳ないけど」
「そいつはおれたちと同い年、いや一つ下だったかなあ。そろそろ彼女が欲しいってほざいてたからちょうどいいやって」
「あのさあ」
「なかなかの好青年だとおれは思うよ。真面目だし気配りもうまいし・・・」
「だからー!」
「えっなに」
ようやく春香の声に気づいた直人は春香の方に目をやった。にやっと笑いながら。
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