三十路街道まっしぐら

ブーケトス。

「独身女性は前に出てきてくださーい!」


会場に響き渡る司会者の声。


今日は男友達の結婚式の二次会。


「おまえら呼ばれてるぞー!行ってこいよ。」
と背中を押される私達。

そう、結婚式恒例のブーケトスが始まったのだ。


きれいな格好をした女子がブーケを奪い合うのはかっこ悪い。

最近はリボンを引いて1人だけあたるっていうのが主流。


一緒に前にでた友人(三十路)が私にそっとささやく。


「お嫁さんのお友達にあたらないと、場の雰囲気を壊すから
あたらないようにしてね。」

え!!あたっちゃだめなの?

どれがあたりかなんてわからないのに、

あたらないようになんて難しすぎる。


「はい、いっせいにリボンをひっぱってーーーー」

どきどきしながらリボンを引いた。


リボンは何の抵抗もなく引き寄せられた。


「よかったーーーー!あたらなくて!」隣で友人が叫んでた。


よかったのか?

縁起をかついででも嫁にいったほうがいいのでは?


複雑な気持ちでいっぱいの私でした。



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