気ままに生きる

　有名になっちゃったちらし寿司事件（1967年12月25日栃木県古河市でのライブで、お昼ご飯のちらし寿司が気に入らないと言って帰ってしまったことで有名）はこんな状況でやったことだよ。本当はちらし寿司は好きだし、そういうところで演奏するよりデートをしたかっただけだよ。

　あの頃地方の公演はかなり厳しかった。新幹線も東京―新大阪間しかなくて、古い寝台列車で移動することも多かったし、泊まるのは人の家だし。いくら演奏が好きっていったて限界があるよね。

　当時は今からすると嘘みたいな仕事がたくさんあったんだよ。

　丸いカウンターがあって、その中にアンプを置いて、自分たちもカウンターの中に入って演奏することもあった。しかもカウンターのまわりはやくざの方々が観客として座っていて、目の前でじっとみているんだから。

　そういうすごいところでいっぱいやったよ。利用されていたよね。

　あと変なキャバレーとかでもやった。マネージャーがなんでも仕事をとってくるんだよ。