やっぱり、好きだ。
「高村先生、唇から血が出てる。お皿は私が片しますから帰って手当して下さい」
言葉に詰まった私に、桜井先生が助け舟を出してくれた。
「安田もいい加減にしなさいよ」
朝倉先生が軽く安田に蹴りを入れ、私が運ぼうとしていたお皿をキッチンに持って行ってくれた。
私の本性を知っても、罵るどころか優しさをくれるみんなの気持ちが、ただただ申し訳なくて苦しい。
「すみません。ありがとうございます。この埋め合わせは必ずさせて下さい。今日はお先に失礼します。ごめんなさい」
そんなみんなに頭を下げて、フローリングの端に置いていた鞄を急いで拾い上げては、逃げる様に玄関を出た。
早く帰って泣きたかった。我慢が限界だった。