やっぱり、好きだ。


 「どうしたんだよ、突然。何かあったのかよ。正月だって帰ってこないくせに」

 『・・・おい。今こっち何時だと思ってんだよ。切るぞ』

 久々の友の電話を出た瞬間に切ろうとする森田。

 「俺がメール見たのさっきだし」

 『知らねーし。こっちは翔太の仕事の時間とか考慮してメールにしてんのに、何で気も遣わずに電話してくるかねー。切るぞ』

 「森田は日本時間分かってるだろうけど、俺オレはそっちの時間知らねぇもん」 『調べろや。気利かせろや。じゃあな』

 -------------プ。

 切ーらーれーたー。

 心配して電話かけてきたた友の電話を、そんなにあっさり切るか?? 普通。

 携帯の画面を睨みながら放課後の廊下を歩いていると、

 「青山先生」

 後ろから声を掛けられた。

 「朝倉先生。これから家庭科部の部活ですか??」

 振り返ると、朝倉先生が俺を見上げていた。

 「今日は部活ないんです。・・・ちょっといいですか??」

 朝倉先生に腕を引っ張られ、通り過ぎようとしていた家庭科室に連れ込まれた。

 用事がないから滅多に入る事のない家庭科室を『こんな風になってんだ』とキョロキョロ見回していると、

 「私、青山先生が好きです」

 突然朝倉先生に告られた。
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