やっぱり、好きだ。


 
  翌日、自転車で登校するであろうサヤ子を、職員用駐輪場で待ち構える。

 サヤ子をストーカーに仕立て上げた張本人が、平気でストーカー行為をする。

 こうでもしないと、あんだけキレた俺をサヤ子は避けるだろうと思ったから。

 ・・・てゆーか俺、サヤ子に嫌われたカモ。

 つーか、そもそも嫌われてたのに、サヤ子は優しい奴だし仕事を円滑に進める為にも、嫌々俺と接してくれてたとか・・・。

 俺、嫌われて当然の事してきたしな・・・。

 「・・・青山先生?? お・・・おはようございます。・・・何してるんですか??」

 考え事をしていると、サヤ子が自転車を引きながらやってきた。

 引き攣る顔を無理矢理笑顔にしている様に見えるサヤ子。

 「・・・サヤ子の事待ってた」

 「・・・え??」

 サヤ子の自転車を停める手がビクッと震えたのが分かった。

 そんなに怯えなくても・・・。
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