やっぱり、好きだ。
 

 
 アメリカまで、飛行機で半日以上かかる旅路。

 サヤ子となら楽しい・・・けど。

 サヤ子は俺に目もくれず本を読んでいた。

 「何の本??」 

 「あ、これ?? 単語帳。英語、いっぱい忘れてるから悪あがき」

 なんなら赤ペンまで握り締めて、ガチで勉強モードのサヤ子。

 かまってよ。折角邪魔者いないんだから、かまってよ。

 「頼りにしてますよ、サヤ子センセ」

 そう言って目を閉じる。

  最早ふてくされて寝るしかない。

 ・・・イヤ、全然眠くない。ぶっちゃけ、ウキウキしすぎで眠れない。

 チラっとサヤ子に方を見ると、俺の視線の気付いたのか、サヤ子と目が合った。
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