やっぱり、好きだ。
 





 翌日、約束通りサヤ子は大きい紙袋を持って俺たちを待っていた。

  「デカ・・多・・・お前、見栄張りすぎ」

 サヤ子の手に持たれていた紙袋を覗き込みながら冗談交じりに軽い嫌味を言うと、サヤ子が『えへへ』と頭をポリポリ掻いた。

 久しぶりに出来たサヤ子とのどうでも良い会話に、一瞬昔に戻った感覚になって、ちょっと嬉しかった。

 ほんわかしている俺の隣で、

 「サヤちゃん、俺と連絡先交換するのやだ??」

 昨日交換出来なかった事が引っかかっていた森田は眉間に皺を作っていた。

  「・・・森田くんとは仲良くなりたいけど・・・今ちょっと、人との接し方が分からなくて・・・また、気づかないうちに慣れなれしくしてたり・・・前みたいにストーカーみたいな事してしまいそうで・・・」

 さっきまで笑っていたサヤ子まで眉間に皺を寄せる始末。

  『違う。サヤ子はストーカーなんかじゃない』と否定したいのに、じゃあ、何て言えば良いのだろう。『あの時、サヤ子以外の女の子とヤりたくて、つい言ってしまった』とでも??  否定の仕方が分からない。
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