やっぱり、好きだ。
 
 「結婚してないですよね?? じゃあ問題ないじゃないですか」

 教頭先生の忠告に、強気に返す朝倉先生。若い上に容姿の整った人間に、怖いものなどないらしい。しかし朝倉先生、どうか波風立てないで下さい。

 「それはそうと、今日の夜、3人の歓迎会をしようと思っているのですが、何かご予定ありましたか??」

  どれがどうなのか分からないが、流石教頭先生。さざ波さえ立つ前にアッサリ話題を変えた。そんな教頭先生に、

 「3人共大丈夫です!!」

  安田が私にも朝倉先生にも、何も確認することなく即答した。

  「安田・・・勝手すぎ」

 やはり安田は私のツボだった。社会人1年目で張り切る安田の姿が、微笑ましくて面白くて『クックッ』と笑う私の横では、朝倉先生が戦闘態勢に入っていて、飲み会で青山くんを落とす気満々の気迫が漂っていた。
< 45 / 353 >

この作品をシェア

pagetop