やっぱり、好きだ。
 
 朝倉先生の様子に『歓迎会、平和に終われるだろうか』と若干の不安を感じていると、

 「なんで呼び捨てなんすかー。てゆーか名前、まだ聞いてなかったですよね??」

 安田が口を尖らせながら私の隣にやってきた。

 「あ、ごめんね。なんかキャラ的に呼び捨てでいいかなぁと・・・。私、年上だし。私は高村サヤ子といいます。 保健室教員です。去年まで看護師してました」

 そんな安田と朝倉先生に、ようやく自己紹介をすると、

 「呼び捨てでいいですよ。サヤ子センセ♪」

 安田が私に人懐っこい笑顔を向けた。

 「なんで名前の方なん」

 つられて笑いながら安田に突っ込むと、

 「呼びやすいからー」

 と、安田が無邪気に笑った。 

  安田・・・かわいいから許す。私からしたら、ついこの前まで大学生だった安田は子どもみたいなもので、可愛さ余って何でも許してしまいそうだ。

 みんなと仲良くなりたいな。楽しくなるといいなぁ、新しい仕事。
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