やっぱり、好きだ。
 「高村は英語系に進むの??」

 ドギマギ中の私の状態に気づいていないのか、そういうフリをしてくれているのか、そんな事はどうでも良いのか、青山くんは普通に話を続けた。

 「ううん。私は昔からなりたい職業があって・・・青山くんは??」

 ひとりで舞い上がっている恥ずかしい自分を落ち着かせ、なんとなく〈看護〉とは言わずに質問を返した。

 「俺は工学部。ずっと前からロボット工学興味があってさ」

 夢を語る青山くんの瞳はキラッキラで、吸い込まれてしまいそうだった。

 「青山くん、数学得意だもんね。 私、苦手だから羨ましい。ロボット工学かぁ。カッコイイね。どんなロボット作りたいの??」

 「んー。前は衛星とかそーゆー男のロマンたっぷりな夢だったんだけど、最近は医療に役立つロボットにも興味ある」

 青山くんの口からでた〈医療〉という言葉に、勝手に親近感を持つ。

 私も言っちゃおうかなぁ・・・。 自分だけ言わないのもなんか卑怯な気がしないでもないし。

 「私は・・・。看護学部か医学部の看護学科目指してるの。数学も生物も苦手なのに恥ずかしいんだけど・・・」

 遠慮がちに自分の夢を話すと、

 「そっか、何大志望?? 地元?? 俺はK大」

 青山くんがグイグイ突っ込んできた。

 てか、青山くんの志望大学K大なの!!??

 ・・・絶対言えない。K大なんて偏差値高すぎて目指そうと思ったことすらない。
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