それでも私は君が好き
私と君


「あの…好きです!」


4月18日。


まだ少し冬の寒さが残り、ほのかに暖かい風になびかれて屋上に私と彼、二人だけ。


「…で?」


「えっ…で?と言われましても…」


閑静な住宅街に建っている公立、泉桜高校の入学式を終えてまもないのだが私は今、彼に告白した。


彼、真壁 慎也君は眼鏡をかけていてクール。真壁君と同じ中学だった私の友達、里緒いわく、できる男子みたい。成績優秀でスポーツもそこそこできるらしい。


背が高くてスラッとスタイルは抜群。裸は白い!


切れ長の目に長いまつげ、高い鼻と上品な唇…って私これじゃあ変態じゃん!


「悪いけど、今はそうゆうの興味ない。」


「えっ…ちょ…待ってよ!」


それだけ言って帰ろうとする彼を止める。


「何?まだ俺に何か用?」


「用…ってか、それだけ!?ほら、こうーなんてゆうか…その…」


「ハァ…何度も言うけど、俺は今誰とも恋愛はする気ない。第一あんたのこともよく知らないし。好きだとも思わない。」


そこまではっきりと言われるとは…ちょっぴり傷つくなぁ…


「…あの…迷惑ですか…?」


「ああ、迷惑だ。」


バンッ!


「うっ…」


そう最後に吐き捨てて扉を閉めた。


その音が心に響いてビクッとなる。
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