キミの知らない物語。【完】




*  *  *



「――ん……」



ゆっくりと目を開ける。


真っ暗な世界。何も見えない。


……どこだっけ、ここ?


重たい頭を左手で支えながら、きょろきょろとあたりを見回す。


ようやく目が暗闇に慣れて来て、――今は使われていない古びた体育館の倉庫。


……ああ、そうか。あたし、寝ちゃってたのか。そうだ。泣き疲れて……。



ザー
ザー
ザー



雨でも降っているのだろうか?


倉庫の外からは激しい雨の叩きつけるような音がする。えー、昼間はあんなに晴れてたのに? ついてない。


……ていうか、どれくらい時間がたったんだろう。今何時?


制服のスカートに入れていたスマホを取り出し電源をつけ、時間を確認する。


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