桜星サンセット
２学期
いつもそうだけど夏休みはあっという間に終わり、２学期が始まった。

「おはよう」

「ちょっと、見てよあれ」

日に焼けた舞ちゃんの視線の先には高野さんがいた。

「あ！」

思わず声を上げた。

「ねー。アンちゃんそっくりでしょ？髪だけが」

髪だけを強調して言った。

赤っぽい色もクリクリのパーマもアンと瓜二つだ。

「あれって、アレでしょ？」

「そう、そう。生徒会長の好み？」

「それって逆効果なんじゃないの？」

確かにパッと見は似ているが、よく見るとアンとは全然違う。

カールを保つためにガチガチに固められた髪は歩いても全く動かないし、カラーとパーマのせいで痛んでパサパサだ。

そして、全然似合っていない。

今まで長い巻き髪で隠していた輪郭を全部出し、真っ黒に縁取られたアイメイクを全て取ったスッピン顔は大きくて膨張して見えた。

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