再会~初恋のやり直し~
ジェラシー

保護者会の副会長を引き受けたもののほとんどの仕事は市原さんがやってくれて、私がやることはほとんどなかった。

たまに、市原さんの家に子供と一緒に訪れ、夕食をご馳走になりながら、
保護者会の報告がある程度で私自身はなにもする必要がなかった。

ただ、数ヶ月した頃、周りのお母さん達からの眼差しに違和感を覚えた。
それは、1学期最後の保護者会でのこと。

「・・・以上、保護者会からの報告でした。」

と私が、市原さんが作成してくれた資料をもとに保護者会で発言したときだった。なんか、他のお母さんからの眼差しが冷たく感じた。そして、私の周りの席が微妙に空席になっていた。

保護者会が終わり、
「お疲れ様でした~。」
と私が声をかけたときの何ともいえず冷え切った空気・・・。

「正輝くんのお母さんちょっといいですか?」

担任の先生が声をかけてきた。

「今年の学級委員は正輝君に決まったんですが、本人はあまりやりたくないようなんです。正輝くんは責任感もあるし、私としても適任だと思ってます。お母さんからも、正輝君にがんばるように励ましてもらえませんか?」

とのことだった。

正輝は、学級委員をやるようなタイプではないのになんでやることになったんだろう?

「お母様も保護者会の副会長をやられて、息子さんも学級委員ですか?なんか、随分とすばらしいご家庭なんですね?それとも、お受験でも考えてらっしゃうんですか?内申書とかに良いですもんね?」

と突然言われた。副会長に立候補しようと手ようとしていたお母さんだ。

この感じ以前にも感じたことがある。そう、小学校5年生のときだ。
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