再会～初恋のやり直し～
修羅場
次の報告会を楽しみにしていた。

すでに鈴木さんが報告会に顔を出すことはなかった。「副会長」という肩書きがついたことで満足したようだ。もともと役員の仕事は市原君がひとりでやっているようなものなので、鈴木さんが出席しなくても何の問題もなかったのだ。「不倫」の噂がなくなれば、それで良かったのだ。今となっては噂ではないのだが・・・。

とのん気に考えながら私はウキウキと市原家を訪ねた。愛しい市原君に会えることばから考えて・・・。

「こんにちは～。」

だが、その日の様子はなんだか変だった。

返事がない。

そこには市原君と三好君がいた。

なんか、険悪な雰囲気・・・。

そういえば、酔っ払って記憶をなくして以来、三好君には会っていない。

「三好君、この間はごめんなさい。私、何も覚えてなくて・・・」

三好君は何も言わない。何かいつものチャラさがまったくない。

「三好悪かったよ。由香は悪くないんだよ。悪いのは、俺だから・・・」

あの日以来、市原君は私のことを「由香」と呼ぶ。

「由香って・・・。山田も山田だよ。山田は人妻なんでしょ？」

私は、何を非難されてるのかようやく気づいた。

「ごめんなさい。」
私は泣きそうになった。

「どうしたんだよ？いつものお前らしくないじゃん。お前もいつも人妻とチャラチャラしてるじゃなかったのか？」

市原君が少しおどけて言った。

「山田は別だ！それにオレは人妻と一線を越えることはない。特に子供がいる奴とはな！」

そう、悲しそうに三好君が言った。

「愛とは一線を超えてたじゃないか？愛がお前のことを好きだったのをいいことに！」

「超えてない！愛はお前を愛していたよ。」

三好君は力なく答えた。

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