悪魔のようなアナタ【完】
四章

1.悪魔の再特訓




7月の初め。

灯里は真木部長の呼出を受け、山岡課長とともに部長室へと向かった。

部長室は灯里がいる電機設備課と同じ2Fにあり、中は机ごとにパーテーションで仕切られている。


「吉倉くん。君にまたひとつ、頼みたいことがある」

「はい、何でしょうか?」


首を傾げた灯里に、真木は手にしていた資料をばさっと渡した。

パラパラめくるとエアコンの写真や電機機器の写真が目に飛び込んでくる。

写真の脇には機器の説明が細かく載っており、ツヤツヤした紙質からして対外向けというのはなんとなくわかる。


「それは、去年の電機産業展のパンフレットだ」

「パンフレット、ですか?」

「それを参考にして、君に今年の分のパンフレットを作ってほしい」


真木の言葉に灯里は息を飲んだ。

電機産業展には説明員として何度か出たことはあるが、パンフレットはこれまで作ったことがない。

驚き目を丸くした灯里に、真木は少し笑った。


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