シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

・邂逅 櫂Side

櫂Side
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あの時――

芹霞の布の引き渡しを拒んだ俺に、久涅は憎悪にも嫉妬にも似た…激しい感情をぶつけてきた。


それはまるで、紫堂櫂に接するが如く。


それに戸惑いながらも、"男"としてそれを受けた俺。


拳を交えれば、俺の正体が判ってしまうかも知れない。

そうしたら"約束の地(カナン)"を巻き込んでしまう。


俺の葛藤を超え、危惧する時間も与えず、瞬時に動いた久涅。


しかし――

俺に掴みかかるその刹那。



「――馬鹿がッッッッ!!!!」



突如、久涅は身体を捻りながら、斜め後方の空に向かって怒鳴ったんだ。


誰も居ない、空に向かって。



「余計なことをッッッ!!!」



そして俺を振り返り、激しく睥睨した時。


地面がグラグラと激しく揺れて。


久涅と俺の間の地面に亀裂が走ったんだ。



俺達は遠互いにざかるようにして、後方に飛んで亀裂を避ける。


揺れは段々酷くなる。


地震か!!!?


違う。


久涅が睨み付けていた空の方角に――


ゴオオオオオ。



そんな不可解な轟音を響かせて、



――!!!!?


異物が現われたんだ。


まるで地殻を突き破るかのように。
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