シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

・競合 櫂Side

 櫂Side
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何か…心がざわつく。


落ち着かない。


何かが俺の中から擦抜けていくような…妙な焦慮感に呼吸が乱れる。


芹霞、か?


芹霞の身に何か起きているのか?


或いは――


起きようとしているのか?


でも近くに玲がいるはずだ。

玲が芹霞を守っているはずだ。


モシモレイガセリカヲ…。


一瞬過ぎった不安。


――お前が"決行"したら、こうなるってことだよ?


俺は…手首の布に口付ける。


俺の不安は、"芹霞"に触れるだけで少し薄らぐんだ。


会いたい。


早く会いたい、お前に。


確かめたいんだ。


――紫堂櫂を愛してる!!!


俺は…ようやくお前を手に出来たんだよな。



あの時のお前の叫びは――

俺が求める愛情なのだと。


命すらも失った俺は、

代わりにお前の愛を得たのだと。


早く…実感したい。
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