シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

・変化

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どうしよう…。

足が痺れてきちゃったんだけれど…。


あたしの膝には――

すやすやお休み中の玲くん。


その間にこっそり…

着替えも済ませて上げた。


半裸の玲くんを膝にずっと乗せていられる程、あたしは厚顔無恥でも男慣れしているわけでもない。


それに玲くんは妙に色気があるから、裸で居られると扱いに困るんだ。


…すぐ鼻血吹いちゃうし。


学習能力がない鼻が悪いのか、

色気を垂れ流す玲くんが悪いのか。


なんとも微妙だ。


玲くんの上半身には、青いティアラ姫。


玲くんは何を着ても似合うなあ。

ティアラ姫が、凄く美女に見えるよ。


やっぱり、玲くんの誕生日には…紳士用のティアラ姫のお洋服にしようか。

ティアラ姫のアクセサリーがいいかな?


玲くん、遠慮ばかりするから、きっと黙って買って贈れば、サプライズで凄く喜ぶかも…。


そう思ったら…

何だか気分が高揚した。


S.S.Aでバングルを投げつけられた時のショックは、簡単に忘れられるものではないけれど…それでもずっとつけて、尚且つ紫堂の力の糧となる守護石代わりにしてくれたから…少しはショックは薄らいできたように思える。


あたしは至って単純女だと思う。


「……ん…」


玲くんが苦しげな声を立てた。


眉間に皺が寄っている。


ああ――

何でこの人…

苦しんでいるのにこんなに色気漂わせるんだろう。


顔色が凄く悪いのに。

唇の色なんて紫なのに。


乱れた寝息が聞こえねば、多分あたしは何度も何度も呼吸と心臓の音を確認しただろう。


玲くんの発作を見るのはこれで何度目だろう?


いつもいつも、ぎりぎりの処で玲くんは生きている気がする。


もっともっと…幸せであってもいいのに。


あたしは…痺れる足を我慢して、

膝の上にある玲くんの白い頬をそっと撫でた。



あたしが――

幸せにして上げれるだろうか。



それはあたしの中に生まれた、変化だった。


大それたことかもしれないけれど、

自惚れかも知れないけれど。


あたしで出来ることなら、

幸せにしてあげたい。


そう強く思うようになったんだ。
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