白緑蝶"vacances【続2】

心にナイフ

着替えを済ませ、慌てて部屋を
出て行こうとする空にタマラは
問う。

「正直に話すの、あの可愛らし
 く幼い奥様に?」

「ああ」

「何も覚えてないのに
 いったい何を話すの?フフッ
 
 そうだ、ねえ、yulaって確か
 お嬢さんの名前よね?」

「だったら、何だ?」

「寝言で呼んでたわよ

 それじゃあ、Sky
 昨夜の貴方最高だったわ

 今夜、パーティーで
 待ってるわ」

タマラは手を振り、空は部屋を
出る。

ユラ・・・

ソラ、貴方は今、このドアの
向こう側にいる。

「ひわ
 
 このドアを開けてくれ
 二人で話そう」

ドアを挟んで聞こえてくる貴方
の声に、私は左右に顔を振って
答える。

「いや

 開けたくないし
 聞きたくない」
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