――藤崎の胸に頬をくっつけて、彼の心臓の音を聞きながら目を閉じる。

……トクトク…。


……癒される。
靖夫の事も木原の幸せそうな顔も……まるで遠い過去に見た映画でも思い出すかのよう。


昨日は悔しい気持ちと、どうやって復讐しようかという気持ちしかなかったはずなのに……。

藤崎の温かさに触れているとそんな事はどうでもいいように思えてくる。


――「……あの、沢森さん」

「んー…?」


何度も愛し合い、その余韻に包まれていた私を彼の呼び掛けが現実へと連れ戻す。


「………あの…、すみません…。

……俺なんかと…こんな事になってしまって…」

………は。
………ムカッ……。

「あ、…謝らないでよ!冗談じゃないわよ!」


何で…あんたはいつもそうなのよ…!
私がそうしたくてこうなったのに!






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