ニセコイ
ニセコク
今日もいつも通りの日常を過ごす筈だった。
あの男があらわれるまでは……


悪臭漂う2年A組の下駄箱。消臭剤をふりかけたい


そもそもこの臭いは消臭剤をふりかければ消えるのか?


ちょっとだけサイズの大きい上履きに履き替えて歩くために姿勢を戻した。


……え、邪魔


なぜか私の行く手を阻むヤツ


「あのー、すいません通してください」


「え、やだ」


やだって遅刻させる気? 目の前に立ちはだかったのは学校では有名人の……名前何だっけ?


興味なくて美咲の話、聞き流してたんだった


「何でですか?」


「頼みがあるから」


あー……。別に私じゃなくても良くないですか
確かによくパシリ体質とは言われるけどそこに嗅覚を働かさなくても


私たちは注目を浴びていた。私を見てないにしても居心地が悪い


私は早く話を切り上げたかった


「頼みって言うのは?」

「付き合って」


「どこに?」


「俺に」


チッチッポーンと頭がなる。いやいやないでしょ何で私がコイツと付き合わないといけない


「断固拒否」


調子こいてんなブス
大雅の告白断ってんじゃねーよっ


野次馬達、笑える。
そうか大雅ね大雅。
ていうかブスって自覚してるし


野次馬も鏡見てこい人に言えるくらい自信に満ちあふれる顔か


「これでも?」


「なんでそれっ!!」


私は学校ではおとなしめのかっこうをしてるけど母親の手伝いでお店にでる


お母さんの負担を減らすために……ね


あ、メイドですメイド……似合わないけど


「だって俺、隣で働いてるし」


隣……、隣?となり!?

「えぇえっ!!?」

私の絶叫に大雅は耳をふさいだ
だって隣って執事の……

コイツは女を何人、ノックアウトしたんだ


でも、深まる謎
どして私に告白してきた?

もしや……

「ブス専?」


「は?そんな趣味ねえよ、ただ瑞穂、お前に拒否権はない」


メイドの写真をひらひらさせて意地悪な顔をさせて笑っていた


仕方ない。受けよう
私みたいなのがメイドやってたってばらされたら笑われる


「良いよ、付き合う」


私みたいなのに告白してきたには絶対理由があるはずだ


突き止めてやるっ!!
< 1 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop