悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~




「灯里はどうして、おれを追ってきたの?」

「水澤、くん……」

「おれを好きだから、だよね? 違うの?」


玲士は再び灯里に口づけを落とした。

舌で唇の輪郭をなぞり、軽くついばむ。


玲士の手は灯里のコートを脱がし、ベストのボタンを一つずつ外していく。

思わず身じろぎした灯里の腕を玲士はそっと握った。


「下手に暴れると痛い思いするのはお前だよ?」

「……っ」

「力を抜いて。……地獄に行くも天国に行くもお前次第。どっちがいい?」


玲士の瞳に宿る壮絶な色気に、灯里はコクリと息を飲んだ。

もともと美しい瞳が色を帯びるととてつもない迫力になる。

やはりこの男は悪魔だ。

――――灯里を惑わす、美しい悪魔。


灯里はぼうっと玲士の瞳を見上げていた。

まさかこんなことになるとは予想もしていなかった。

けれどもう、この悪魔から逃げられない……。

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