12:30。


灯里はダイニングテーブルに座ってコーヒーをすすっていた。

腰が痛いため、椅子の背にはクッションが置かれている。


テーブルの上にはパスタやサラダ、パンなどが置かれている。

どうやら玲士が用意したものらしい。


「いたたたっ……」


少し動くだけで腰に痛みが走る。

顔をしかめる灯里を向かいに座った玲士が気遣わしげに覗き込んだ。

玲士は青いオーガニックコットンのシャツとルームパンツを身に着け、その上から白いパーカーを羽織っている。

部屋着なのだろうが、玲士らしいシンプルな格好で良く似合っている。

ちなみに灯里は昨日借りた服をそのまま着ている。


「大丈夫? 灯里」

「大丈夫なワケないでしょうが……」


灯里ははぁぁと肩を落とした。

立つことはおろか、座ることすらままならない。


――――まさかこんなことになろうとは。


悪魔の恐ろしさを身をもって体験してしまった灯里は、コーヒーを置いて盛大なため息をついた。


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