平凡太~ヘイボンタ~の恋
*青写真の未来*
一華先輩とのコーヒータイム、栞も今日は出勤、通常通りの仕事。


それが一変したのは、昼休みのことだった。


「平凡太ッ!!ちょっと来いッ!!」


小野寺先輩に呼び出されて、屋上へ。


「テメーッ!!」


───ボコッ!!


胸ぐらを掴まれると同時にボクの顔に食い込んだ小野寺先輩の拳。


殴られた意味がわからずその場に尻もちをついたまま、ただ主任を見上げた。


「オマエ、一華ちゃんじゃなかったのかよッ」


「…え?」


「自分以外にねぇ、って。幸せにできんのは自分だって胸張ってたのはどこのどいつだよッ」


「あの…小野寺主任…?」


「オマエ、辻野と産婦人科にいたんだってな?」


「…!!」


「二股かよ!?マジ引くよな。一華ちゃんがいながら辻野を妊娠させるなんて、平凡太のくせにありえねぇんだよッ!!」


───ボコッ!!


2発目の誤解のボコりをボクは受け止めるしかない。


栞の事は。


言えないから。
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