平凡太~ヘイボンタ~の恋
*夏の名前*
「また週末伺ってもいいですか?」


「あ…。ゴメンネ。ちょっと用事があって…」


「詞音ちゃんとどこかでかけるんですか?」


「うん…まぁ…。そんな感じ…」


いつもと違って歯切れの悪い一華先輩に、一抹の不安がよぎる。


いつか来るかもしれないボクのいらない日。


『平太パパ』のいらない日。


夏がもうすぐ終わろうとしているこの季節、近頃の一華先輩はちょっと変だ。


ボクを避けてるワケじゃないけど、近くもない。


まぁ、もともと。


そう近くもなかったんだろうけど…。
< 122 / 164 >

この作品をシェア

pagetop