リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『お笑い』・2
『お笑い』・2
休日、アタシは駅前で恋人を待つ。

恋人はアタシと同じ高校に通っていて、学年も同じ2年生。

元々母親同士が親友だったこともあり、小さな頃から遊んでいた。

でもお互い住んでいる家は遠くて、なかなか一緒にはいられなかった。

しかし高校受験前に、彼の方から同じ高校に通わないかと誘われ、通学するのも苦じゃない距離だったし、レベルもそこそこだったのでそこを希望校にした。

お互い見事合格して、高校の始業式で会えた時は喜んだものだ。

ウチの高校は自由がウリで、制服はあるけれど私服でも可。

アタシも彼も、私服で通っている。

でもアタシはたまーに制服を着るけれど、彼は滅多に着ない。

まあ入学式と卒業式は流石に制服着用が校則としてあるから、しょうがなくは着ていたな。

そんなことをボンヤリ思い出していると、目的の人物がこちらへと走って来るのが見えた。

「ごめ~ん! 待ったぁ?」

上擦った舌っ足らずの甘い声を出すのが、アタシの『恋人』で『彼』だ。
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