好きになっても、いいですか?

03



それから数日。

克己の容態も落ち着いて、手術の日も正式に決まった。


「おはようございます」
「おはようございます、芹沢さん」
「ああ」


麻子がいつものように掃除から始めているところへ、純一と敦志の2人が揃って社長室へ入ってきた。


「あの」


いつも毅然としている麻子が、少し申し訳なさそうに敦志を見た。
少し照れたような、恥ずかしがっているような、そんな顔で。


「なんですか?」


敦志が、そんな麻子は珍しいとばかりに真剣に向き合って聞き返す。

しかし、なぜかその場を目撃している純一は、面白くない気分に駆られていた。



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