好きになっても、いいですか?

06



「――すみません。お先にいいですか」


敦志が麻子に突然そう言って、席を立った。


(早乙女さんがお昼ぴったりに席を立つなんて珍しい)


「ええ。勿論です」
「ありがとうございます。キリのいいところで芹沢さんも休憩を」


ニコリといつもの笑顔で敦志は言うと、スッと秘書室から退室して行った。


(……?)


いつもはないことだけに、何か気になってしまう。
しかし、休憩はある意味プライベートでもある。

余計な詮索を止めて、やりかけの仕事を続けようとした時だった。


麻子のパソコンの画面に、一通のメール通知の知らせが出る。




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