家政婦のメイド派遣します!
兄、帰国する。
あれから数日経ち、3人の間は少しギクシャクしているものの何の進展もなくただ時間だけが過ぎていた。

父の正志からは正式に半年後にはフランスに店を構える事が決まったと言われたものの、それ以上の事は聞かれていない。

店は半年後でも恐らくは後3カ月もしないうちに現地へ飛ぶ事になるはずであった。

それまでには桃子も答を出さなくてはならない。





桃子が珍しく早く仕事が終わり会社から帰宅すると玄関ドアのカギが開いている事に気がついた。

父の正志が帰ってきているのだろうか。

桃子は何気なく玄関にそろえられた靴を見て眼を見張った。

青色のコンバース。

兄の蒼のお気に入りだった。

「お兄ちゃん、おかえり。」
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